手しごとのコラム

6. 「上棟式」という特別な時間。

6. 「上棟式」という特別な時間。

マンションやコンクリート住宅の建設にはない、
木造住宅ならではのお祝いの儀式、
「上棟式」をご存じでしょうか。

木造住宅は骨組みとなる柱、梁をたて、
屋根の頂上へ、「棟木」と呼ばれる木材を組み立ててはじめて、
家の基本構造が出来上がります。

この節目を「棟上げ」といい、
ここに至るまでの日々に施主様が
感謝の気持ちを込めて開いてくださるお祝いの儀式が、
いわゆる「上棟式」です。

施主様と職人たちが一斉に集まって挨拶を交わし、
屋根の上からお祝いのお餅やお菓子、小銭を投げ、
終始賑やかなムードで執り行われます。

親戚や近所の方を大勢招き、盛大に上棟式をお祝いする地域もあり、
日本人らしい「結の精神」が色濃く残る伝統行事です。

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しかし、冠婚葬祭と同等の一大行事として
扱われてきた「家を建てる」という行為も、
建築技術の著しい発展によって在り方が変わり、
最近では略式も増えてきました。

それでも、施主様の喜ぶ姿やお祝いしてくださる様子を見ると、
昔と変わらず感謝の気持ちが芽生えてくるもの。

特に私たちは、工藝の技術を継承する現代の家(いえ)守(も)りです。
今もなお、機械に頼らず「手刻み」で家を建てているからこそ、
骨組みが完成したことを示す上棟式の意味は、
より深いものだと感じています。

「家をつくらせていただいている」という気持ちを改めて持ち、
最後まで無事にやり遂げる決意を、新たに固める特別な時間。
それが、私たちの考える「上棟式」なのです。

- 記事リスト
45. 美しさや特徴を引き立てる、柾目のレッドシダー。
44. 大工と人との関係を深める、「こども大工さん」。
43. 暮らす人の心に寄り添う、現代の「床の間」。
42. 日々触れる「建具」にこそ、一工夫を。
41. 地震大国で確立された「木組み」の技術。
40. 家と一緒に、季節を楽しむ。
39. 「和紙」の魅力、「壁紙職人」の腕。
38. 百年先まで続く価値を持つ「欅」の魅力。
37. 大工たちが"一番"に望むこと。
36. 家という"物"を大切に扱うために。
35. 人と大工の関係性が、郷土愛を育む。
34. "対話"ではじめる、大工の育成。
33. 思い出を、"思い返す時間"を楽しむ。
32. 住む人の愛情で変化する「家の寿命」。
31. 絵を飾る。それだけで暮らしが変わる。
30. 住むほどに、価値が磨かれていく家。
29. 技術を継承し、存在を伝え続けるために。
28. 千年を超えて受け継がれてきた日本の「黄金比」。
27. 思い出を活かし、想いを受け継ぐ。
26. 「家は道具である」という視点
25. 木の「個性」を見極める在来工法。
24. 目には見えない心地よさ。"素材感"を磨き抜く。
23. 私たちが積極的に考える"パッシブデザイン"。
22. 家守として、地域のためにできること。
21. 伝統の技が息づく「現代の和室」。
20. 光を取り込む知恵と工夫。
19. あえて「子ども部屋」をつくらない理由。
18. コミュニケーションを育む「本棚」。
17. 美しさの基準をつくる、パウダールーム。
16. 「現代の家守」が手がけるリノベーションとは。
15. 風を感じて、家をつくる。
14. キッチンは"つくる場"から"過ごす場"へ。
13. 実用的に楽しむ、現代の土間。
12. 花を飾る。季節と暮らす。
11. 庭の景色と、家づくりの関係性。
10. 家具から家を考える、ということ。
9. 新年を迎えるかたち。
8. 年末の大掃除と、日頃のお掃除の関係。
7. 霜降の季節に寄せて・・・暖かな家づくりと、薪ストーブの話。
6. 「上棟式」という特別な時間。
5. 私たちが地鎮祭(じちんさい)を大切にする理由。
4. 大工として神社の仕事に関わるということ。
3. 幸手の桜・権現堂桜堤
2. 「現代の家守り」を目指して。古くて新しい挑戦。
1. 新ブランド『芦葉工藝舎』について