手しごとのコラム

45. 美しさや特徴を引き立てる、柾目のレッドシダー。

45. 美しさや特徴を引き立てる、柾目のレッドシダー。

ウッドデッキなどによく使われている、
「レッドシダー」という木材をご存じでしょうか。
主に北米地方などで見受けられる自然木で、
通称「米杉」といわれるヒノキ科の樹木です。

この米杉も日本を代表する秋田杉や屋久杉と同じく、
強い赤みが特徴で、木目が美しく耐久性が強いなど、
その希少性が個性豊かな空間を生み出してくれると、
近年、住宅業界で注目を集めています。

しかし、市場に出回っているレッドシダーの板材は
年輪の中心から逸れた部分を切り落とす板目(いため)のものが多く、
それらは、数年経つと収縮や反りが生じやすいという問題があります。
また、定期的にオイルを塗るといったメンテナンスが必要であるなど、
お客様にかかる負担が大きいという難点もありました。

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そこで私たちは、お客様の声に応え、尚且つより良い家をつくるため、
レッドシダーの原木を探し出すことからはじめたのです。

その理由は、柾目挽(まさめびき)のレッドシダーを集めるため。
柾目挽とは木の芯を避けて、中心付近から狙いを定めて製材をした板材のことで、
真っ直ぐで平行な木目模様の美しさと、
収縮や反りといった狂いがほとんどない頑丈さが特徴です。

ひとつの原木から柾目板を採取する際、
多くのロスが発生いたします。 
それでも、良い家をつくるためには柾目板が欠かせないと考え、
芦葉工藝舎では、選りすぐりのレッドシダーの原木を収集しています。

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※柾板のレッドシダー材で制作した外壁と玄関ドア

柾目のレッドシダーは私たちのコンセプトハウスにも使用しており、
メンテナンスをしやすいよう交換できる設計にするなど、
一つひとつの板材に工夫を凝らしています。

レッドシダーの色味を自分の目で確かめてみたい、
どんな風に使われるかを知りたいなどのご要望があれば、
ぜひ芦葉工藝舎までご連絡ください。
コンセプトハウスで実際に使用している現場を見学することも可能ですし、
私たちの方からも、樹木の特徴ついてしっかりとご説明いたします。

- 記事リスト
94.家の中と外の景色をやさしく結ぶ「ヌック」という空間。
93.木を自由に操る大工が手がける、芦葉工藝舎の「バレルサウナ」。
92.家族と一緒に考え、つくる「ペットが快適に暮らせる家」。
91.一年点検で、住んでから気づく「理想の住まいの条件」を叶える。
90.風通しのいい環境が、共に働く仲間への愛を育む。
89.省エネ性能とお客さまの想い、どちらも大切にするために。
88.時代を超えて愛される和室の魅力を、つくり続けるために。
87.「人の感動を生み出す建築」を知る、一泊二日の研修旅行。
86.2023年春、若きふたりの社員を新たに迎えました。
85.鉄筋コンクリートの魅力に、木の温もりを加えたコンセプトハウス5がまもなく完成。
84.2023年の幕開け。明けましておめでとうございます。
83.素材を守りながら一年の汚れを落とす、職人の腕。
82.芦葉工藝舎の「オーダーキッチン」で、真の自由を追求する。
81.「欅」の薪をくべ、温もりを感じ、香りを楽しむ。
80.「家でもサウナで"ととのいたい"」を叶える、コンセプトハウス5。
79.【求人募集】芦葉工藝舎では、新たな仲間を募集しています。
78.その家が最も美しく写る瞬間を見極める、写真家の腕。
77.お客さまが「期待を寄せる現場」であり続けるために。
76.地域に馴染み、人々で賑わう「テナント」を生み出すために。
75.住まいの清潔を守る、玄関の手洗いスペース。
74.リアルな現場の姿にこそ、芦葉工藝舎の価値がある。
73.街の景色をつくりかえる。コンセプトハウスという挑戦。
72.家中をやわらかな暖でつつみこむ、「薪ストーブ」。
71.現代の暮らしに必要な条件が叶う「平屋」の家。
70.空に想いを馳せながら過ごす。「月見台」のある家。
69.お客さまの声から伝わる、家守と住む人の関係性。
68.家の中へ風を招き、涼を感じる「簀戸」の魅力。
67.空間の美しさを引き立てる、「照明」へのこだわり。
66.家の美しさを引き立てる、ある「作庭家」の話。
65.木材を、余すことなく、家と地域に還元していく。
64.棟梁は、完成後もずっと、お客さまと関わっていく。
63.真の美しさを求めるには、まず自らの仕事場から。
62.街の新しい景色をつくる。2棟目のコンセプトハウス
61.現場での行動が、地域の風景になる瞬間。
60.相手への思いやりが、成長をつくる。
59.土間を活かして、暮らしを満喫する。
58.アウトドアリビングで、日常に新鮮さを。
57.仕事をする空間を、暮らしの中に創って行く。
56.庭から生まれる、暮らしの価値。街の景色。
55.これからも、地域の場であり続けるために。
54.「育てる」ことで気づく、己の成長。
53.家に対する愛着を、のこして、新しく。
52.日本人が慣れ親しんだ、やわらかな灯り。
51. 120年前の大工が込めた想いを紐解く。
50.手づくりのコラム 50回掲載の節目によせて
49.「ギャラリー」は、地域の人たちの交流地点。
48.木と共に経年変化していく、「革細工の引手」。
47.地域工務店が生み出す、出会いの場、地域の輪。
46. 「豊かな住まい方」を提案するコンセプトハウス
45. 美しさや特徴を引き立てる、柾目のレッドシダー。
44. 大工と人との関係を深める、「こども大工さん」。
43. 暮らす人の心に寄り添う、現代の「床の間」。
42. 日々触れる「建具」にこそ、一工夫を。
41. 地震大国で確立された「木組み」の技術。
40. 家と一緒に、季節を楽しむ。
39. 「和紙」の魅力、「壁紙職人」の腕。
38. 百年先まで続く価値を持つ「欅」の魅力。
37. 大工たちが"一番"に望むこと。
36. 家という"物"を大切に扱うために。
35. 人と大工の関係性が、郷土愛を育む。
34. "対話"ではじめる、大工の育成。
33. 思い出を、"思い返す時間"を楽しむ。
32. 住む人の愛情で変化する「家の寿命」。
31. 絵を飾る。それだけで暮らしが変わる。
30. 住むほどに、価値が磨かれていく家。
29. 技術を継承し、存在を伝え続けるために。
28. 千年を超えて受け継がれてきた日本の「黄金比」。
27. 思い出を活かし、想いを受け継ぐ。
26. 「家は道具である」という視点
25. 木の「個性」を見極める在来工法。
24. 目には見えない心地よさ。"素材感"を磨き抜く。
23. 私たちが積極的に考える"パッシブデザイン"。
22. 家守として、地域のためにできること。
21. 伝統の技が息づく「現代の和室」。
20. 光を取り込む知恵と工夫。
19. あえて「子ども部屋」をつくらない理由。
18. コミュニケーションを育む「本棚」。
17. 美しさの基準をつくる、パウダールーム。
16. 「現代の家守」が手がけるリノベーションとは。
15. 風を感じて、家をつくる。
14. キッチンは"つくる場"から"過ごす場"へ。
13. 実用的に楽しむ、現代の土間。
12. 花を飾る。季節と暮らす。
11. 庭の景色と、家づくりの関係性。
10. 家具から家を考える、ということ。
9. 新年を迎えるかたち。
8. 年末の大掃除と、日頃のお掃除の関係。
7. 霜降の季節に寄せて・・・暖かな家づくりと、薪ストーブの話。
6. 「上棟式」という特別な時間。
5. 私たちが地鎮祭(じちんさい)を大切にする理由。
4. 大工として神社の仕事に関わるということ。
3. 幸手の桜・権現堂桜堤
2. 「現代の家守り」を目指して。古くて新しい挑戦。
1. 新ブランド『芦葉工藝舎』について