大工棟梁(管理職)

少年時代、何となくはじめた大工の仕事。
今では、一生続けたいと思える天職に。

2001年入社 / 福元 昌
取材日:2022.06

新人時代の印象的なエピソード

入社してもう21年目になります。当時はまだ10代で、「大工になりたい」というより「とにかく働かなくちゃ」という状況で選んだ職場でした。家づくりについて何にも知らなかったので、最初はそりゃもう大変でした。ここに書けないような苦労もたくさん。でも、何とか今までやってきました。今は、辞めずに続けてきて良かったって本気で思っています。

懐かしいな。当時、僕の面倒を見てくれていた先輩がいつもクイズを出してきたんですよ。「これが何の木かわかるか?」と。最初は当然わからないんですが、何となく見ていたら何の木かわかるようになってきて、だんだん目で見なくても触るだけで何の木かわかるようになって、最終的に、香りだけで何の木か判断できるようになったんです。すごいですよね。そうやって何かがわかるようになるたび、成長を実感していくたび、仕事が楽しいと感じるようになっていきました。

大工としてのやりがい

芦葉工藝舎の大工は、一人前になるのに恐らく5年はかかります。他社のメーカーさんなどでは1年、2年で親方や棟梁と呼ばれることを考えると、かなり長い。でもそれは、全部自分たちでつくっているからなんですよね。

業界全体で見ると、イチから全部自分でつくりきるメーカーや工務店は多くないと思うんです。それに比べて、芦葉工藝舎は文字通り「全部自分たちでつくる」。だから覚えることが多いし、一人前になるのに時間がかかってしまう。でもだからこそ、どの現場もやりがいに溢れている。自信を持って、「自分たちでつくった」と言えるんです。

それだけ深く関わるからか、お客さまとの関係も深いのかなと感じますね。どの現場に行っても、お客さまは僕たちに良くしてくれるんです。現場へ見学に来るたび差し入れをくださるお客さま、完成時にお寿司をごちそうしてくれたお客さま……僕は娘がいるんですが、「お子さんたちに」とお客さまからクリスマスケーキをいただいたこともありました。

それから、アフターメンテナンスなどを通じて担当したお客さまのお家にお伺いすると、本当に喜んでいただけるんですよ。嬉しいですよね。どのお客さまもここまで良くしてくださるのは、家づくりを通じてコミュニケーションを取る機会が多いのもあると思います。

社長の人柄や社風について

社長のことは本当に尊敬しています。人を惹きつける力があるというか、「この人についていきたい」と思わされるんですよね。

僕、入社してから「仕事がヒマだ」と思ったことが一度もなくて。それぐらい、常に安定してお客さまから依頼を受け続けているんですよ。その経営力も素晴らしいですし、給与などの待遇面でも全然不満はない。もちろん人によって感じ方はいろいろだと思いますが、僕は芦葉工藝舎で大工として働くのが楽しくて仕方がない。これからもずっと、ここで働き続けたいと思っています。

そうそう。以前、ある現場の設計図を現場監督と確認したところ、「これは図面通りに収まらないんじゃないか」と思うところがあったんですね。長く現場をやらせてもらっていますが、頭の中でうまくイメージができなくて。それを社長に報告したところ、返ってきた返事は「面白いね、挑戦してみよう」。

その一言があるだけで、自分のすぐ後ろで守ってくれている感覚になるんですよね。社長がそう言うなら、「よし、やってみよう」と前向きに思える。そういう安心感をくれる人です。

こんな感じでいろんな新しい挑戦できるから、ものづくりが好きな人にとってすごく面白い職場だと思いますよ。僕、見た目がこんなんだから怖がられるかもしれないけど……。芦葉工藝舎で働きたいと思っている人がいれば、経験に関わらず今いるメンバー全員でしっかり育てていくので、安心して来てくださいと伝えたいです。

芦葉工藝舎ならでは環境について

芦葉工藝舎では、家づくり以外にも結構いろんなイベントをやっています。よく関わらせてもらっているのが、地域のイベントなどに出店する「子ども大工さん」。すごく面白いですよ。うちで余ったいろんな木の端材を丸とか四角、三角のカタチに整えてテーブルにどさっと山盛り置いて。それを使って子どもたちが自由に工作するんです。

自由な発想で組み合わせて、ボンドを使ってくっつけて……思い通りにいかないと「大工さんたすけて!」なんて呼ばれて、ネジで留めてあげたりします。そうすると、「すげー!」って喜んでくれるんですよ。かわいいでしょう。

他にも、木を使ってテーブルや木琴をつくる木工教室や、本社のギャラリーで社長が招待した音楽家や落語家の人がライブをひらいたりもします。そのイベントのお手伝いをしたりとか。協力業者の人とかも手伝いに来てくれるんですが、いつもすごく盛り上がります。