number 110
やる気に満ちた若き大工が最もやりがいを感じる瞬間。
それはやはり、自分が手をかけた建物が完成したとき。
毎日その目で現場を見ていたはずなのに、
完成した建物の全景を見渡すと「もっと頑張ろう!」という
エネルギーが湧いてくるのだそうです。
そんな若手を育てているのは、一緒に現場で働く指導担当の棟梁。
入社直後の新人時代から成長を見守る棟梁たちは、
「近頃、若手に任せられる仕事がどんどん増えている」と声をそろえます。
何なら、仕事を任せる前に自分ができる領域を見つけ、
「ここは私がやります!」と、積極的に動いてくれるそうです。
若手の育成は「教える手間が増える」など、
指導者側にとっては少々面倒に感じる瞬間もあるもの。
しかし、芦葉工藝舎の棟梁は誰もそう思っていないどころか、
「一緒にやることでむしろ自分の仕事がはかどる」と感心しているほど。
一人前の大工を育てるには10年以上はかかると言われてきましたが、
芦葉工藝舎の若手大工は目を見張るような速度で成長してくれています。
恐らく、棟梁が若手の頑張る姿を丁寧に見守っていることも、
成長の加速につながっているのでしょう。
若手の成長なくして、芦葉工藝舎の発展はなし得ません。
毎日頑張っている若手はもちろん、その成長を見守り続ける棟梁たちにも、
感謝の気持ちでいっぱいです。