number 111
年々、新しい世代の大工が育ってくるにつれて、
それぞれが所持する大工道具も少しずつ増えてきました。
また、貴重な木材や断熱材、建具など、
さまざまな資材を安全に保管できる場所の必要性も感じていたところ、
「離れにある小屋を資材置き場として造り直しましょう」
そんな声が社員の方から挙がってきたのです。
社員が率先して設計を進め、若手の大工が施工を担当し……
木材の選定から建具の一つひとつの造作に至るまで、
すべて自分たちの手で仕上げていきました。
そうして完成したのがこちら。
格子扉の吊り引き戸はその大きさ故に金具の耐久性に不安を覚えましたが、
特に問題も発生せず、むしろ、大胆な見た目に惚れ惚れするほど。
社員を信じて任せて良かったと感じる代物に仕上がっています。
もともとは築35年ほどが経つ古さが目立つ小屋。
しかし、新しくなってからというもの、通りすがる人から
「もしかして、あの建物も芦葉さんのものですか?」と
声をかけていただける機会も増えてきました。
自分たちの使い勝手の良さや利便性を兼ね揃えながら、
芦葉工藝舎らしい造作がしっかりと施された新たな資材置き場。
新たなスペースが生まれたことで保管できる木材や素材の種類が格段に増え、
大工たちの仕事もこれまで以上にはかどるようになりました。
これほど立派なものをつくりあげるとは。
若手の成長ぶりにも改めて驚かされました。
きっと、日々の仕事でもこの腕を発揮し、
より多くのお客さまを喜ばせてくれていることでしょう。