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大工職人の腕と絆が発揮される「建て方」の話。

基礎に土台を設置し、柱と梁を組み立て、
屋根の最上部に棟木(むなぎ)を取り付ける……
上棟を迎えるまでのこの過程を「建て方」と呼び、
芦葉工藝舎では社員である大工衆全員で建て方に取り組んでいます。

普段はそれぞれの現場で働く職人たちが、
建て方の日は一堂に介して「へいや!へいや!」と声を掛け合い作業する。
絶妙なチームワークで次々と仕上げていきます。
まる1日かけて、棟木を取り付けた瞬間はお祭り騒ぎ。
無事に最初の節目を迎えたことを全員で喜び合います。

その後、その家に住むご家族と共に上棟式を執り行うのが通例ですが、
伝統をどこまで活かすかはご家庭それぞれ。
昔ながらの作法にならって餅投げをする方がいれば、略式で進める方、
家族の思い出づくりにとオリジナルな方法を取り入れる方もいらっしゃいます。

建て方でつくられた骨組みは工程が進むにつれ見えなくなりますが、
何年、何十年とその家を支えてくれる大切な存在。
上棟式の際はぜひ、職人たちが手がけた立派な骨組みの仕上がりにもご注目ください。
「いい家を建てる」という彼らの心意気が、伝わってくることでしょう。

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