97.さまざまな国の建築文化を、日本の住宅にどう取り入れるか。
北欧のインテリアや東南アジアの建築技法など、
海外の住文化を自分の家に取り入れたいというご相談は、
私たちのもとにたくさん届きます。
しかし、気候やライフスタイルが異なる海外の住文化を
そのまま日本の住宅にあてはめてしまうと、
どこかで違和感が生じてしまうもの。
芦葉工藝舎では、お客さまが魅力に感じる部分をしっかりと取り入れながらも、
日本の気候や家族のライフスタイルにも適したアイデアを
ご提案するよう心がけています。
例えば、18世紀頃にイギリスで生まれたと言われる「コンサバトリー」。
家と外をつなぐガラス貼りの空間で、
南国から持ち帰った果物を貯蔵するためのスペースとして、
寒い気候から植物を守るためのスペースとしてつくられていました。
日本でも、観葉植物を育てるための空間や
ランドリールームとして利用しているお家がたくさんあります。
しかし、太陽の熱を直接家の中へ取りこんでしまうガラス貼りの空間は、
室内環境に良くない影響を与えてしまう場合も。
気温が35度以上になる夏場などは特に心配です。
そこで私たちは、お客さまとヒアリングを重ねながら、
「その家にいちばん似合うコンサバトリーのかたち」を考えることに。
最も眺めのいい方角をガラス貼りに設計しつつ、
駐車スペースなどあまり見たくない方角は壁にして耐震性をキープ。
採光のバランスを自由に調整できるよう、
天井部分を開閉式の窓にするなど、
世界でひとつのコンサバトリーをご提案させていただきました。
このように、国や時代の異なる建築技術をどう取り入れるかを
その家に合わせて考えられるのも注文住宅の醍醐味。
お客さまにとって理想の家をお届けできるよう、
精一杯の技術と知恵で、最適なアイデアをご提案させていだきます。