手しごとのコラム

28. 千年を超えて受け継がれてきた日本の「黄金比」。

28. 千年を超えて受け継がれてきた日本の「黄金比」。

みなさんは、「デザイン」という言葉を聞いたとき、
どんなイメージを抱きますか。
テイストの違い、配色のバランス、造形の差、機能性など、
人によって、連想するものはさまざまだと思います。

その中で、私たちが家をデザインする際に最も大切にしていることは
天井の高さや窓の位置、家具の配置場所などの「比率」。
建築の世界には、黄金比をはじめ、さまざまな数学的比率が存在しています。
その中で私たちは、"日本人が最も美しいと感じる比率"と、いわれる
白銀比を現代にも活用してきました。
白銀比とは、千年以上前に活躍した大工達が
数多の家を建てる中で見出した比率で、いわば「日本の黄金比」。

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例えば、有名な神社仏閣へと足を踏み入れたとき。
洗練された空気を感じたり、空間の美しさに魅了されたことはありませんか。
言葉では言い表せないあの特別な空気感こそ、白銀比のなせる業です。

しかしその美しさは、数ミリの誤差が生じるだけで失われてしまうほど繊細。
見た目は同じようなデザインの家であったとしても、
少しでも比率がおかしければ、一時の満足感は得られても、
長く住んでいくと徐々に違和感を感じるようになるはず。
反面、黄金比をしっかりと守っていれば、
どんなデザインの家でも自ずと洗練された空間へと仕上がってきます。

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近年では、この白銀比や黄金比を踏まえていない建築家がずいぶんと増えてきました。
住む人の好みや時代の流行を最重視して建てられた建築物もたくさんあります。

けれども、見た目のデザインの好き嫌いを分ける"嗜好"は、
時代の移り変わりや住んでいる人の成長によって変わっていくもの。
これに対して、美しいと感じる"感覚"は、
時代や文化、趣味嗜好に左右されない不変的なものです。
だから私たちは、"感覚"をつくる比率を優先して家をつくってきました。

私たちが守り続けている家づくりの比率は、
日本の気候や風土を知り尽くした歴代の大工から受け継いだ美の方程式。
その伝統を守った上で、住む人の好みや流行を取り入れること。
それが、芦葉工藝舎が考え、追求してきた「デザインの定義」なのです。

- 記事リスト
47.地域工務店が生み出す、出会いの場、地域の輪。
46. 「豊かな住まい方」を提案するコンセプトハウス
45. 美しさや特徴を引き立てる、柾目のレッドシダー。
44. 大工と人との関係を深める、「こども大工さん」。
43. 暮らす人の心に寄り添う、現代の「床の間」。
42. 日々触れる「建具」にこそ、一工夫を。
41. 地震大国で確立された「木組み」の技術。
40. 家と一緒に、季節を楽しむ。
39. 「和紙」の魅力、「壁紙職人」の腕。
38. 百年先まで続く価値を持つ「欅」の魅力。
37. 大工たちが"一番"に望むこと。
36. 家という"物"を大切に扱うために。
35. 人と大工の関係性が、郷土愛を育む。
34. "対話"ではじめる、大工の育成。
33. 思い出を、"思い返す時間"を楽しむ。
32. 住む人の愛情で変化する「家の寿命」。
31. 絵を飾る。それだけで暮らしが変わる。
30. 住むほどに、価値が磨かれていく家。
29. 技術を継承し、存在を伝え続けるために。
28. 千年を超えて受け継がれてきた日本の「黄金比」。
27. 思い出を活かし、想いを受け継ぐ。
26. 「家は道具である」という視点
25. 木の「個性」を見極める在来工法。
24. 目には見えない心地よさ。"素材感"を磨き抜く。
23. 私たちが積極的に考える"パッシブデザイン"。
22. 家守として、地域のためにできること。
21. 伝統の技が息づく「現代の和室」。
20. 光を取り込む知恵と工夫。
19. あえて「子ども部屋」をつくらない理由。
18. コミュニケーションを育む「本棚」。
17. 美しさの基準をつくる、パウダールーム。
16. 「現代の家守」が手がけるリノベーションとは。
15. 風を感じて、家をつくる。
14. キッチンは"つくる場"から"過ごす場"へ。
13. 実用的に楽しむ、現代の土間。
12. 花を飾る。季節と暮らす。
11. 庭の景色と、家づくりの関係性。
10. 家具から家を考える、ということ。
9. 新年を迎えるかたち。
8. 年末の大掃除と、日頃のお掃除の関係。
7. 霜降の季節に寄せて・・・暖かな家づくりと、薪ストーブの話。
6. 「上棟式」という特別な時間。
5. 私たちが地鎮祭(じちんさい)を大切にする理由。
4. 大工として神社の仕事に関わるということ。
3. 幸手の桜・権現堂桜堤
2. 「現代の家守り」を目指して。古くて新しい挑戦。
1. 新ブランド『芦葉工藝舎』について